東京で働く人の年収・物価・手取り|数字で見るリアルな暮らし

書類の書き方
公開 2026.08.07読了 11執筆・監修:Talentier編集部
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先に結論SUMMARY

「東京は給料が高いが物価も高い」は、半分だけ正しい。

厚生労働省の調査では東京都の賃金は月40万3,700円で全国平均の33万400円を22%上回る一方、総務省の消費者物価地域差指数では東京の物価は104.0と、全国平均より4%高いだけでした。 しかもその差の大半は住居費です。家賃を除いた指数は102.2まで下がります。東京で手元にいくら残るかは、家賃の設定でほぼ決まります。

「東京は給料が高いけど、物価も高いから結局同じ」

上京を考えている人も、すでに東京で働いている人も、一度は聞いたことがある言葉だと思います。
なんとなく納得してしまう話ですが、実際のところはどうなのでしょうか。

結論から言うと、この言葉は半分だけ正しくて、半分は間違っています。
東京の賃金は全国平均より22%高い一方、物価は4%高いだけ。そしてその4%の中身を分解すると、ほとんどが家賃で説明できます。

つまり「東京は物価が高い」の実態は「東京は家賃が高い」であって、それ以外の生活費は全国平均とほとんど変わりません。
この構造を知っているかどうかで、東京での暮らし方の設計は変わってきます。

この記事では、公的な統計をもとに、東京で働くと実際にいくら稼げて、いくら出ていくのかを整理します。

なお、この記事は働く街ごとの年収と生活費を見ていくシリーズの第1回です。今後、関西や中京圏、九州などのエリアも同じ視点で取り上げていく予定です。転職や移住でエリアをまたぐことを考えている方は、比較の材料として読んでみてください。

東京の賃金は、全国平均より22%高い

まず賃金から見ていきます。

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、東京都の平均賃金は月40万3,700円でした。これは6月分として支払われた所定内給与額の平均で、残業代や賞与は含まれていません。

全国計の平均賃金は月33万400円なので、東京はこれを22%上回っています。金額にすれば月に7万円以上の差です。

さらに注目したいのは、全国平均を超えている都道府県が4つしかないことです。
東京都、神奈川県、愛知県、大阪府。この4都府県以外は、すべて全国平均を下回っています。東京の水準は、全国的に見ればかなり特殊な位置にあります。

この構造は、転職を考えるうえで重要な意味を持ちます。同じ経験、同じスキルを持っていても、働く場所によって提示される金額が変わるということだからです。地方で年収が頭打ちだと感じている人にとって、勤務地を変えることは年収を上げる一つの手段になりえます。逆に、東京から地方に移る場合は、額面が下がることを前提に生活設計を組み直す必要があります。

ただし、額面が下がることが必ずしも損とは限りません。それは後半で見ていく生活コストの話につながります。

ここで一つ補足しておくと、この40万3,700円という数字はあくまで東京都全体の平均です。
業種によっても企業規模によっても、実際の水準は大きく変わります。全国のデータで見ると、大企業と小企業では月に6万円以上の開きがあり、業種別では最も高い電気・ガス・熱供給・水道業と最も低い宿泊業・飲食サービス業では月に15万円以上の差があります。東京で働いているからといって、当然ですが全員が40万3,700円を受け取っているわけではありません。

それでも、同じ職種・同じ規模の会社であれば、東京のほうが水準は高くなる傾向があります。企業が東京に集中し、人材の獲得競争が激しいことが背景にあると考えられます。

物価は、4%高いだけ

次に物価です。ここが多くの人の想像と違う部分かもしれません。

総務省の小売物価統計調査による2024年の消費者物価地域差指数を見ると、東京都は104.0でした。全国平均を100としたときの水準です。つまり、東京の物価は全国平均より4%高い

たしかに東京は12年連続で全国1位です。ただ、最も低い群馬県は96.2なので、その差は1.08倍にすぎません。賃金の差が1.22倍だったことを思い出すと、物価の差のほうがずっと小さいことが分かります。

同じ生活をした場合、東京では全国平均より4%多く支出することになります。一方で収入は22%多い。この時点で、東京のほうが手元に残る金額は大きくなる計算です。

「東京は物価が高いから結局同じ」という感覚が、どこから来ているのか。それは次のセクションで分かります。

その4%の正体は、ほぼ家賃だった

物価指数を費目別に分解すると、東京の特徴がはっきりします。

東京都の住居の指数は127.2で、全国最高です。全国平均より27%高い。これが総合指数を押し上げている最大の要因で、全国平均との差に1.97ポイント寄与しています。

興味深いのは、光熱・水道は東京のほうが全国平均より安いことです。総務省の分析でも、この費目は東京の物価水準を押し下げる方向に働いています。冬の暖房需要が大きい寒冷地に比べれば、東京の光熱費は抑えられるという事情もあるのでしょう。

そして決定的な数字があります。総務省は「家賃を除く総合」という指数も公表していて、東京都はこれが102.2です。総合の104.0から1.8ポイント下がります。

つまり、家賃を計算から外すと、東京の物価は全国平均より2.2%高いだけになります。

費目ごとの地域差の大きさを比べると、この構造はさらに明確になります。都道府県間の比率、つまり最も高い県と最も低い県の開きを見ると、住居は1.56倍と大きく開いています。一方、食料は1.11倍、保健医療と交通・通信にいたっては1.06倍しかありません。

言い換えれば、住む場所によって大きく変わるのは家賃であって、食費や医療費、通信費はどこに住んでもほとんど同じです。同じ牛乳を買っても、同じスマートフォンの料金を払っても、東京と地方でそれほど変わらない。東京で暮らすコストが高く感じられる理由は、家賃という一点に集中しています。

ちなみに、東京都区部だけを取り出すと指数は104.9とさらに高くなります。都心に近づくほど、この傾向は強まると考えてよいでしょう。

だから、家賃をどうするかで結果が変わる

ここまでの数字を整理すると、東京で暮らすうえでの構造が見えてきます。

収入は全国平均より22%多い。家賃以外の支出は2.2%多いだけ。差し引きすると、手元に残る金額は本来かなり大きくなるはずです。ところが家賃が27%高いため、そこで差が食いつぶされる。

だとすれば、東京で手元にお金を残せるかどうかは、家賃をどう扱うかでほぼ決まります。

家賃を抑える方法は、いくつかあります。

都心から距離を取るのは、最も効果が大きい選択です。同じ間取りでも、山手線の内側と、そこから電車で30分の場所では家賃が大きく変わります。ただし通勤時間という代償があるので、増えた可処分所得と失った時間を天秤にかける必要があります。

住宅手当や家賃補助がある会社を選ぶという方法もあります。これは東京では特に効きます。家賃が高い分、補助の金額的な価値も大きくなるからです。月3万円の家賃補助は年間36万円で、額面を数十万円上げるのと同等かそれ以上の効果を持つ場合があります。求人票の年収だけを見て比較すると、この部分が抜け落ちます。

社宅や借り上げ社宅の制度がある会社なら、負担はさらに軽くなります。転職の条件を比較するときは、年収に加えてこうした制度の有無を確認しておくと、実際の手取り感が変わります。

逆に言えば、収入が増えたぶんそのまま家賃を上げてしまうと、東京で働く金銭的なメリットは消えます。年収が上がったときに真っ先に引っ越しを考える人は多いのですが、その判断が手元の余裕を決めてしまいます。

具体的に考えてみます。以下は説明のための仮の計算です。

月収が全国平均並みの33万円で、家賃が7万円の地方在住者がいるとします。手取りを8割として約26万円、家賃を引くと19万円が残ります。

この人が東京に移り、月収が東京平均並みの40万円になったとします。手取りは約32万円。ここで家賃を10万円に抑えられれば、残るのは22万円です。地方にいたときより3万円増えます。

ところが家賃を14万円にすると、残りは18万円。地方にいたときより減ってしまいます。収入は月7万円増えたのに、家賃を7万円上げたので、増えた分が丸ごと消えた形です。

もちろん実際には税金や社会保険料の増加もあるので、この計算はあくまで目安です。ただ、東京で働く経済的な意味が家賃の設定でここまで変わるという構造は、押さえておく価値があります。

数字に表れない、東京で働くこと

ここまでは金額の話でしたが、東京で働く意味は賃金だけではありません。

求人の数と種類が圧倒的に多いことは、キャリアの選択肢に直結します。特定の職種や業界に絞って転職しようとしたとき、地方では選択肢が数社しかないという状況が起こりますが、東京では比較しながら選べます。転職市場が厚いということは、条件が合わなければ他を探せるということでもあります。

同業の人と接する機会が多いことも、専門性を高めるうえでは効きます。勉強会やコミュニティ、社外の知人との接点は、東京のほうが作りやすいでしょう。

一方で、差し出しているものもあります。
通勤時間はその代表です。片道1時間の通勤なら、往復で1日2時間。年間240日として480時間になります。1日24時間で割れば20日分です。
この時間を何に使えたかを考えると、決して小さくありません。

人の多さによる疲労も、数字には表れない負荷です。満員電車、行列、混雑した休日。これらを許容できるかどうかは人によります。

住まいの広さも見落とされがちです。
同じ家賃で借りられる面積は、東京と地方でまるで違います。在宅勤務が定着した人にとっては、この差が生活の質に直結します。仕事用のスペースを確保できるかどうかで、日々の疲れ方が変わってくるからです。

一方で、東京ならではの利点もあります。
車を持たなくても生活が成り立つことです。地方では車が必需品という地域も多く、車両代、駐車場代、ガソリン代、保険料、車検代を合わせると、年間で数十万円の負担になります。これを家賃の差と相殺して考えると、見え方は変わってきます。実際、東京の交通・通信費の指数は全国平均よりやや高い程度で、車の維持費まで含めた移動コスト全体で見れば、東京が特に高いとは言い切れません。

つまり、単純に家賃だけを比較しても、暮らしのコストは測れません。車の要否、住まいに求める広さ、通勤に許容できる時間。これらを含めて考える必要があります。

つまり東京で働くことは、収入と選択肢を得る代わりに、家賃と時間と静けさを差し出す取引です。
どちらが得かは、その人が何を大事にするかで変わります。金額だけで決められる話ではありません。

あなたの場合は、どうですか?

最後に、自分に当てはめて考える方法を書いておきます。

まず、いまの年収と家賃を書き出してください。そして家賃が手取りに占める割合を計算します。一般には手取りの3割以内が目安とされますが、東京では4割近くになっている人も珍しくありません。この割合が高いほど、東京の高い賃金が家賃に流れていることになります。

次に、転職や引っ越しを考えるときは、年収だけでなく住宅関連の制度を含めて比較します。家賃補助が月3万円あるA社の年収500万円と、補助がないB社の年収530万円では、実質的にはA社のほうが手元に残る場合があります。

そのうえで、通勤時間をどこまで許容するかを決めます。家賃を月2万円下げる代わりに通勤が20分延びるなら、その交換に納得できるか。ここは自分の生活の優先順位次第です。

もう一つ、意外と見落とされるのが「いつまでその条件で暮らすか」という視点です。独身のうちは家賃を抑えて狭い部屋でも問題ないかもしれませんが、家族が増えれば必要な広さは変わります。東京で家族向けの住まいを借りると、家賃の負担は一気に上がる。そのタイミングで郊外に移るのか、それともエリアごと変えるのか。数年先の生活まで含めて考えておくと、転職の判断もぶれにくくなります。

逆に言えば、いま独身で家賃を抑えられる状況なら、東京で働く金銭的なメリットを最大化しやすい時期だとも言えます。この数年をどう使うかで、その後の選択肢は変わってきます。

こうした比較をするには、まず自分がどういう条件を提示されうるのかを知る必要があります。Talentier〈タレンティア〉が提供しているAI履歴書・職務経歴書作成サービスのPath〈パス〉は、その準備に使えます。完全無料で、採用実務の経験を持つ人が監修しています。質問に答えていくと、これまでの経験が採用担当に伝わる形の文章に整っていきます。

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まとめ

「東京は給料が高いけど物価も高い」という言葉は、半分だけ正しいものでした。

東京の賃金は月40万3,700円で全国平均の33万400円より22%高く、物価指数は104.0で4%高いだけ。差し引きすれば、東京のほうが手元に残るはずの構造です。

ただし物価の内訳を見ると、住居が127.2と突出しており、家賃を除いた指数は102.2まで下がります。つまり東京の物価高は、ほぼ家賃で説明できます。食料も光熱・水道も交通費も、全国平均とほとんど変わりません。

だとすれば、東京で暮らすうえで決定的なのは家賃です。都心からの距離、家賃補助の有無、社宅制度。これらをどう選ぶかで、同じ年収でも手元に残る金額は大きく変わります。

そして東京で働くことは、収入と選択肢を得る代わりに、家賃と通勤時間を差し出す取引でもあります。数字を知ったうえで、自分にとって割に合う選択かどうかを判断してください。

よくある質問

Q. 東京の平均年収はいくらですか?

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、東京都の賃金は月40万3,700円です。これは6月分の所定内給与額の平均で、残業代や賞与は含まれていません。全国計は月33万400円なので、東京はこれを約22%上回っています。全国平均を超えているのは東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4都府県のみです。

Q. 東京の物価は本当に高いのですか?

総務省の消費者物価地域差指数(2024年)では東京都は104.0で、全国平均を4%上回り12年連続の全国1位です。ただし最も低い群馬県(96.2)との差は1.08倍にとどまります。賃金の差(1.22倍)と比べると、物価の差はかなり小さいと言えます。

Q. 東京の物価が高い原因は何ですか?

住居費です。東京都の住居の指数は127.2で全国最高となっており、全国平均との差に最も大きく寄与しています。一方で光熱・水道は96.2と全国平均より安く、食料や交通・通信の差もわずかです。家賃を除いた「家賃を除く総合」の指数は102.2まで下がるため、東京の物価高はほぼ家賃で説明できます。

Q. 東京で働くと、地方より手元にお金は残りますか?

家賃の扱い次第です。収入は全国平均より22%高く、家賃以外の支出は2.2%高い程度なので、家賃を抑えられれば手元に残る金額は大きくなります。逆に収入が増えた分をそのまま家賃に充てると、金銭的なメリットは小さくなります。家賃補助や社宅制度のある会社を選ぶと、この差はさらに変わります。

Q. 東京で年収を上げるにはどうすればいいですか?

賃金は業種や企業規模による差も大きいため、同じ職種でも所属によって水準が変わります。転職を検討する場合は、提示される年収に加えて住宅手当や家賃補助といった制度も含めて比較すると、実際の手取り感を把握しやすくなります。まずは自分の経験がどう評価されるかを確かめるところから始めるのが現実的です。

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