求人サイトを見るほど動けなくなる人へ|不安の正体は「情報不足」ではないかも

転職活動面接対策生き方・価値観
公開 2026.08.03読了 10執筆・監修:Talentier編集部
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先に結論SUMMARY

転職の不安は、調べるほど増えていきます。

不安を感じている人は9割にのぼり、その中身は「年齢が不利になるか」「希望に合う求人があるか」という、自分では動かせないことに集中しています。一方で、多くの人が不安解消のためにしているのは求人検索や口コミ閲覧。外を調べても、自分が選ばれるかの答えは出ません。 先に手をつけるべきは、自分の経験の棚卸しです。

転職しようかと考え始めて、まず何をしますか?
おそらく、求人サイトを開くのではないかと思います。どんな会社があるのか、自分の経験で応募できる求人はあるのか、給与はどのくらいなのか。

そして口コミサイトを見て、転職の体験談を読んで、年収診断を試して。ひととおり調べたあと、不思議なことが起きます。
調べる前より、気持ちが重くなっている。

・自分に合いそうな求人が思ったより少なかった。
・応募条件に「実務経験5年以上」と書かれていた。
・口コミには入社後のギャップを嘆く声が並んでいた。

そうやって情報が増えるほど、動き出す前から気持ちがしぼんでいく。

この記事では、その現象がなぜ起きるのかを、転職活動の不安を調べた調査データから整理します。
多くの人は不安を減らすために情報を集めているのに、集めている情報の種類が、不安の正体とかみ合っていません。

不安なのは、あなただけではない

まず知っておきたいのは、転職活動に不安を感じているのが、ごく当たり前だということです。

エン・ジャパンが2026年2月に公表した「転職活動の不安」実態調査によると、転職活動をするうえで不安があると答えた人は90%。しかもその内訳は、「大いにある」が63%、「少しある」が27%です。つまり不安を抱えている人のうち、7割近くが「大いに」不安だと答えています。

年代別に見ても、この数字はほとんど変わりません。20代が95%、30代が94%、40代以上が89%。経験を積んだ人なら余裕があるかというと、そうでもない。転職に慣れている人だけが平然と動いていて、自分だけが怖がっているわけではありません。

不安を感じること自体を、準備不足のサインだと受け取る必要はないということです。ほぼ全員がそうなのですから。

不安の中身には、はっきりした共通点がある

では、みんな何を不安に感じているのか。ここが本題です。

同じ調査で、どのような不安を感じているかを聞いた結果を見ると、最も多かったのは「年齢が不利になること」で69%。次いで「希望条件(時間・場所)に合う求人が見つかるか」が57%、「希望条件(仕事内容)に合う求人が見つかるか」が43%と続きます。

この3つを並べると、共通点が見えてきます。どれも、自分ではどうにもできないことです。

自分の年齢は変えられません。市場にどんな求人が出ているかも、こちらの都合では動きません。企業がどういう人を求めているかも、変えようがない。つまり多くの人は、自分の力が及ばない領域について不安を感じている。

もう一つ、20代には別の不安が加わります。20代のみ上位2位に入ったのが「面接で上手くアピールできるか」で56%。こちらは外の状況ではなく、自分の側の問題です。同じ調査の自由記述には、志望動機や面接対策を考えても、これまで頑張ったことや失敗から改善したことが思い浮かばず、薄っぺらいことしか出てこない、という20代の声が紹介されています。

整理すると、転職活動の不安には2種類あります。自分ではどうにもならないことへの不安と、自分の側の準備に関する不安。そして数のうえでは、前者が圧倒的に多い。

だから、情報を集めても不安は減らない

ここで、多くの人が取っている行動を見てみます。

同じ調査で、不安を解消するために実施したことを聞くと、1位は「転職サイト内のサポートツール利用」で59%。次いで「口コミサイトの閲覧」と「転職コンサルタントへの相談」が同率28%でした。

つまり、不安を感じた人の多くが、情報を集めることで対処しようとしています。求人を検索し、企業の評判を調べ、市場の状況を知ろうとする。自然な行動です。

ただ、ここに構造的なねじれがあります。

集めている情報は、外の状況についてのものです。どんな求人があるか。あの会社の評判はどうか。今の市場はどうなっているか。一方で、不安の中身は「年齢が不利になるのではないか」「自分に合う求人があるのか」という、自分が選ばれるかどうかについてのものでした。

外の状況をいくら詳しく知っても、自分が選ばれるかどうかの答えは出てきません。むしろ、調べれば調べるほど、応募条件を満たさない求人や、厳しい選考体験の話が目に入ります。情報が増えることで、判断材料は増えても、安心は増えない。ここに、調べるほど気持ちが重くなる理由があります。

もちろん、情報収集そのものが悪いわけではありません。応募先を選ぶには情報が要ります。ただ、不安を減らす目的で情報を集めているなら、目的と手段が合っていない可能性があります。

変えられることと、変えられないことを分ける

では、どうすればいいのか。まずやってみてほしいのは、自分の不安を書き出して、2つに仕分けることです。

紙でもスマートフォンのメモでも構いません。いま感じている不安を、思いつくままに並べてみてください。年齢のこと、経験が足りないこと、家族のこと、収入が下がるかもしれないこと、面接が苦手なこと。

書き出したら、それぞれに印をつけていきます。自分の行動で変えられるものと、変えられないもの。

変えられないものの例は、自分の年齢、市場に出ている求人の数、企業ごとの採用方針、景気の動向です。これらは、どれだけ考えても動きません。

一方、変えられるものもあります。自分の経験をどう伝えるか。どの条件を優先し、どれを譲るか。いつ動き始めるか。応募する前に何を準備しておくか。

仕分けの際に、迷う項目も出てきます。たとえば「未経験の業界に移れるか」は、どちらでしょうか。業界が未経験者を受け入れているかどうかは変えられませんが、これまでの経験のうち何が移せるかを整理して伝えることは変えられます。つまり、丸ごと変えられないわけではなく、変えられる部分が含まれている。こういう項目は、変えられる部分だけを取り出して書き直しておくと扱いやすくなります。

「収入が下がるかもしれない」も同様です。提示される金額そのものは相手が決めますが、どこまでなら受け入れられるかという自分側の線引きは、事前に決めておけます。線が決まっていれば、提示を受けたときに迷わずに済みます。

この仕分けをすると、たいていの人は驚きます。頭の中を占めていた不安の多くが、変えられない側に入っているからです。そして変えられない側の不安は、考え続けても消えません。消えないものを考え続けているから、いつまでも重い。

やるべきことは、変えられる側に手をつけることです。数は少なくても、そこには進みようがあります。

「アピールできない」の正体は、自信ではなく材料不足

変えられる側の代表が、自分の経験をどう伝えるかという部分です。ここは20代の不安の上位に入っていた項目でもあります。

先ほど紹介した自由記述に、頑張ったことや失敗から改善したことが思い浮かばず、薄っぺらいことしか浮かばない、という声がありました。この感覚を持っている人は多いと思います。

ただ、実際に転職の相談を受けていて感じるのは、話せることがない人はいない、ということです。あるのに見つかっていない、という状態がほとんどです。

理由は単純で、日々の仕事は「やって当たり前のこと」として流れていくからです。毎月の締め作業を一度も落とさずに回してきたことも、後輩に仕事を教えてきたことも、取引先からの無理な依頼を調整してきたことも、その場では特別なことに見えません。だから、あらためて「アピールできることは何ですか」と聞かれると、何も出てこない。

これは自信の問題ではなく、材料の問題です。棚卸ししていないから、手元に出せるものがないだけです。逆に言えば、書き出す作業さえすれば、材料は出てきます。

書き出すときのコツを挙げると、成果の大きさで選ばないことです。売上を何倍にしたというような話がなくても構いません。担当した業務、その中で自分なりに工夫した点、うまくいかなかったことと、そのあとどう変えたか。この4つを、直近の仕事から順に並べていくだけで十分です。

もう一つ、数字が使えそうな場面では、控えめでも入れておくと後で役立ちます。何人のチームだったか、月にどれくらいの件数を扱っていたか、担当した期間はどのくらいか。これらは特別な実績ではありませんが、規模感が伝わるので、聞き手が仕事のイメージを持ちやすくなります。

面接でうまく話せるかどうかを心配する前に、話す材料を並べておく。順序としては、こちらが先です。

集める前に、書き出す

ここまでの話をまとめると、順序が逆になっている人が多い、ということになります。

不安を感じて、情報を集める。外の状況を調べる。でも不安は減らない。減らないからまた調べる。この繰り返しから抜けるには、調べる前に自分の側を整えるほうが早いのです。

自分がこれまで何をしてきて、何ができて、どんなときに力が出たのか。これが言葉になっていると、求人を見たときの見え方が変わります。応募条件に書かれていることと自分の経験を照らし合わせられるようになるので、「なんとなく無理そう」ではなく「ここは合っている、ここは足りない」と具体的に判断できます。判断できると、迷いは減ります。

Talentier〈タレンティア〉が提供しているAI履歴書・職務経歴書作成サービスのPath〈パス〉は、まさにこの棚卸しに使えます。完全無料で、採用実務の経験を持つ人が監修しています。質問に答えていくと、これまでの経験が採用担当に伝わる形の文章に整っていきます。転職するかどうかを決めていない段階でも、材料を先に手元に持っておくことはできます。

書き出したうえで求人を見るなら、Talentier〈タレンティア〉の求人サイト、Gate〈ゲート〉で条件から探すこともできます。順序を守れば、求人情報は不安の材料ではなく、判断の材料になります。

もう一つ、相談相手についても触れておきます。同じ調査では、不安解消のために家族に相談した人が20代で41%、30代で38%だったのに対し、40代以上では19%にとどまっていました。年齢が上がるほど、抱え込む傾向があるようです。

家族に相談しづらい事情もあるでしょう。ただ、変えられない不安をひとりで抱えていると、考えが同じところを回り続けます。誰かに話すこと自体が、変えられるものと変えられないものを仕分ける作業にもなります。相手は家族でも、前職の同僚でも、エージェントでも構いません。

まとめ

転職活動に不安を感じている人は9割にのぼり、そのうち6割超が「大いに不安」と答えています。年代による差もほとんどありません。不安を抱えているのは、あなただけではありません。

そして不安の中身は、「年齢が不利になること」「希望に合う求人が見つかるか」といった、自分ではどうにもできないことに集中しています。一方で、不安を解消するために最も多く行われているのは情報収集です。外の状況を調べることと、自分が選ばれるかどうかの不安は、かみ合いません。だから調べても減らない。

まず、不安を書き出して、変えられるものと変えられないものに分けてみてください。そして変えられる側、とくに自分の経験の棚卸しから手をつける。

面接でうまく話せる自信がないという不安も、多くは自信の問題ではなく材料の問題です。話せることがない人はいません。見つかっていないだけです。順序を変えれば、集める情報の意味も変わってきます。

よくある質問

Q. 転職活動に不安を感じるのは、準備不足だからでしょうか?

そうとは限りません。エン・ジャパンの調査では、転職活動に不安があると答えた人は90%にのぼり、そのうち63%が「大いにある」と回答しています。年代別でも20代95%、30代94%、40代以上89%とほとんど差がありません。経験の多寡にかかわらず、ほぼ全員が不安を抱えながら活動しています。不安があること自体を、準備不足のサインと受け取る必要はありません。

Q. 情報を集めているのに不安が減りません。なぜでしょうか?

集めている情報の種類と、不安の中身がかみ合っていない可能性があります。同じ調査で不安の上位に挙がったのは「年齢が不利になること」「希望条件に合う求人が見つかるか」で、いずれも自分が選ばれるかどうかに関する不安です。一方、多くの人が実施しているのは求人検索や口コミ閲覧といった外の状況の情報収集です。外を調べても、自分が選ばれるかの答えは出ません。自分の経験を整理するほうが、判断材料としては直接的です。

Q. 年齢が不利になるという不安は、実際どうなのでしょうか?

不安として最も多く挙げられている項目で、69%の人が挙げています。ただし年齢そのものは変えられないため、そこを考え続けても状況は動きません。企業が実際に見ているのは、その年齢までに何を積んできたかという部分です。年齢を心配するより、これまでの経験を具体的に説明できる状態にしておくほうが、手をつけられる分だけ現実的です。

Q. 面接でうまくアピールできる自信がありません。

20代の56%が同じ不安を挙げています。ただ、この多くは自信の問題ではなく、材料が手元にない状態です。日々の仕事は「やって当たり前のこと」として流れていくため、あらためて聞かれると何も浮かばなくなります。まず、これまで担当した業務や工夫したことを書き出してみてください。話す材料が並べば、面接で何を話すかという問題は、かなりの部分が解決します。

Q. 転職の相談は誰にすればいいですか?

調査では、家族に相談した人が20代で41%、30代で38%、40代以上では19%でした。相手は家族に限りません。前職の同僚、同業の知人、転職エージェントなど、状況を説明できる相手であれば構いません。話すこと自体が、変えられる不安と変えられない不安を仕分ける作業になります。ひとりで抱えていると考えが同じところを回りやすいため、一度声に出してみることをおすすめします。

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