転職で「辞めてから探したい」けど…失業保険はいつから・いくらもらえる?

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公開 2026.09.07更新 2026.09.08読了 10執筆・監修:Talentier編集部(鈴木真実)
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先に結論SUMMARY

「辞めてから探したい」ときのお金の不安は、失業保険の仕組みを知れば具体的に見積もれます。

自己都合退職でも、2025年4月から給付制限が原則2か月→1か月に短縮され、所定の教育訓練を受ければ待期7日後から受け取れるようになりました。 いくら受け取れるかは、辞める前の賃金や年齢で決まり、人によって違います。 無給になりうる期間と毎月の固定費を先に把握しておけば、辞める前に「いくら備えればいいか」が見えてきます。

「辞めてから探したい。でも、お金が続くか不安」

今の会社を辞めてから、腰を据えて次を探したい。在職中の転職活動は時間も気持ちも余裕がなく、じっくり選べない。そう感じて「一度辞めてから」と考える人は少なくありません。

けれど、そこで足が止まる最大の理由が、お金です。収入が途切れる期間をどう乗り切るのか、貯金がどれくらい要るのか。ここが見えないと、なかなか踏み出せません。

この不安は、ぼんやり抱えているとどんどん大きくなりますが、実は数字で具体的に見積もれます。鍵になるのが失業保険(雇用保険の基本手当)で、2025年4月には自己都合で辞めた人に関わる大きな改正もありました。この記事では、失業保険はいつから・いくらもらえるのか、辞めた後に出ていくお金は何か、そして辞める前にいくら備えればよいかを、順番に整理します。

なお、辞めてから探すことだけが正解ではありません。在職中に動くほうが向いている人もいます。ここでは「辞めてから探す」を選ぶ場合に、お金の見通しを立てられるようにすることを目的にしています。

まず全体像|辞めてから探すと、お金はどう動くか

辞めてから次を探す期間は、お金の面では「入ってくるもの」と「出ていくもの」の両方が、在職中とは変わります。

入ってくる側の中心が、失業保険です。一定の条件を満たせば、次の仕事が決まるまでの一定期間、基本手当を受け取れます。ここが、無給期間の生活を支える柱になります。

見落とされがちなのが、出ていく側です。会社を辞めると、これまで給与から天引きされていた社会保険料や税金を、自分で払うことになります。健康保険、年金、そして住民税です。特に住民税は前年の所得に対してかかるため、収入が減った後の時期にまとまって請求が来ます。

「入ってくる失業保険」と「出ていく固定費」の両方を見ないと、必要な備えを見誤ります。

この記事では、まず入ってくる失業保険を詳しく見て、そのあと出ていくお金を整理します。両方をそろえて、はじめて「いくら備えればいいか」が計算できます。

失業保険はいつから・いくらもらえるのか

失業保険の基本手当は、退職すれば誰でも自動的にもらえるものではありません。原則として、雇用保険に一定期間加入していたこと、そして働く意思と能力があり求職活動をしていることが条件になります。手続きは、住所地のハローワークで離職票などを提出して行います。

受け取れる金額は、人によって違います。もらえる1日あたりの金額(基本手当日額)は、辞める前の給与と年齢で決まります。計算式は雇用保険の全国共通ルールで、東京だから高い・低いといった自治体による差はありません。

いくらもらえる?計算式と、東京で働く人の例

基本手当日額は、次の2段階で決まります。

  • まず賃金日額を出します。賃金日額=離職前6か月間の賃金合計 ÷ 180(賞与や退職金は含めず、毎月決まって支払われた給与で計算します)

  • 次に給付率をかけます。基本手当日額=賃金日額 × 給付率。給付率はおよそ50〜80%で、給与が低かった人ほど高くなるスライド式です(60〜64歳は45〜80%)

ただし、基本手当日額には年齢ごとの上限があり、高収入でも青天井にはなりません。2026年8月1日以降の上限額は次のとおりで、下限額は年齢に関係なく2,562円です。

  • 30歳未満:7,450円

  • 30歳以上45歳未満:8,270円

  • 45歳以上60歳未満:9,110円

  • 60歳以上65歳未満:7,830円

具体的に見てみます。東京で働く30歳・月給30万円(賞与を除く毎月の給与)・雇用保険の加入5年・自己都合退職のケースなら、賃金日額は30万円×6か月÷180で約10,000円。給付率はこの水準だとおよそ50%なので、基本手当日額は約5,000円です。加入5年の自己都合なら所定給付日数は90日なので、受け取れる総額はおよそ45万円(5,000円×90日)が目安になります。

給付率は賃金の水準ごとに細かく段階が分かれているため、正確な金額はハローワークや公的な試算ツールで確認するのが確実です。ここでは、おおよその見当をつけるための例として捉えてください。

受け取れる日数(所定給付日数)も、年齢・雇用保険の加入期間・辞め方によって変わります。たとえば一般的な自己都合退職では、雇用保険の加入年数に応じて、おおむね90日から150日の範囲で設定されます。会社都合など手厚い扱いになる場合は、これより長くなることがあります。ここで大きく効いてくるのが、自己都合か会社都合かの違いです。

同じ退職でも、自己都合か会社都合かで、受け取り始める時期と日数が変わります。

会社都合など、やむを得ない理由で離職した人は、手厚く早く受け取れる扱いになります。一方、自分の意思で辞める自己都合退職には、これまで受け取りまでに時間がかかる仕組みがありました。それが次に説明する「給付制限」で、ここが2025年に変わりました。

2025年の改正|自己都合の給付制限が、2か月から1か月へ

失業保険には「待期期間」と「給付制限」という、受け取り開始までの待ち時間があります。

待期期間は、退職理由にかかわらず全員に共通する7日間です。問題はその先の給付制限で、これは正当な理由のない自己都合退職の人に課される、追加の待ち時間です。

この給付制限期間が、2025年4月から短くなりました。退職日が2025年4月1日以降であれば、原則1か月です。2025年3月31日以前は原則2か月だったので、待ち時間が1か月分縮んだことになります。

振り返ると、この期間は段階的に短縮されてきました。かつては3か月、2020年10月からは2か月、そして2025年4月からは1か月です。転職しやすい環境を整えようという国の方針が、そのまま表れています。

自己都合で辞めても、給付制限は原則1か月。無給で待つ期間は、以前より短くなりました。

ただし例外があります。退職日から遡って5年間のうちに、正当な理由のない自己都合退職で2回以上失業給付の受給資格決定を受けている場合、つまり3回目以降にあたる場合は、給付制限は従来どおり3か月です。また、自分の重大な責任で解雇された場合も3か月となります。短い転職を繰り返している人は、この点に注意が必要です。

さらに、教育訓練を受ければ給付制限が解除される

2025年の改正には、もうひとつ見逃せない変更があります。所定の教育訓練を受けると、自己都合退職でも給付制限そのものが解除される仕組みができました。

具体的には、離職期間中、または離職日前1年以内に、2025年4月1日以降に開始した厚生労働省の定める教育訓練等を受講した場合、給付制限が解除されます。この場合、7日間の待期期間が終わればすぐに基本手当を受け取れます。

これまでも、ハローワークの指示による公共職業訓練を受ければ給付制限は解除されましたが、改正後は、自分から選んで受けた所定の教育訓練でも同じ扱いになったのが大きな変化です。この制度を使うには、受講開始のあと、ハローワークへの申し出など決められた手続きが必要になります。

学び直しと組み合わせれば、自己都合でも待期7日後から受け取れる可能性があります。

辞めてから探す人にとって、無給期間はそのまま生活の不安に直結します。給付制限が1か月に縮み、条件を満たせばゼロにもできる。この2つを知っているかどうかで、辞めるという選択の重さはかなり変わってきます。

「自己都合」でも、給付制限がつかない場合がある

もうひとつ知っておきたいのが、形の上では自己都合でも、給付制限なしで受け取れるケースがあることです。

たとえば、体調を崩して働き続けるのが難しくなった、家族の介護や看護が必要になった、配偶者の転勤に同行するために辞めた、といった正当な理由のある離職は、「特定理由離職者」として扱われる場合があります。ハラスメントなど、やむを得ない事情での離職も同様です。この場合、自己都合であっても給付制限がつかず、扱いも手厚くなることがあります。

また、倒産や解雇など会社側の事情で職を失った人は「特定受給資格者」となり、給付制限なしで、より長い日数を受け取れます。

「自分は自己都合だから」と決めつける前に、離職の理由を確認しておくと、扱いが変わることがあります。

どの区分にあたるかは、離職票に記載された理由やハローワークの判断によります。辞めたい背景に、体調や職場環境など自分では動かしがたい事情がある場合は、そのことを整理しておくと、手続きの場で正しく扱ってもらいやすくなります。

見落としがちな「出ていくお金」

入ってくる失業保険を確認したら、次は出ていくお金です。ここを忘れると、失業保険だけを頼りに計画して、あとで足りなくなります。

会社を辞めると、健康保険は自分で選んで加入し直します。前の会社の健康保険を一定期間続ける「任意継続」か、市区町村の国民健康保険に入るかのどちらかが一般的です。在職中は会社が保険料の半分を負担していたため、辞めると負担感が増える点に注意が必要です。

年金も、厚生年金から国民年金に切り替わり、自分で保険料を納めることになります。収入が途絶えて納付が難しいときは、免除や猶予の仕組みもあるので、放置せず手続きをしておくと安心です。

そして、意外と重いのが住民税です。住民税は前年の所得に対してかかり、後払いで請求されます。つまり、収入が減った退職後に、働いていた頃の所得を基準にした金額が届きます。ここを見込んでいないと、家計が急に苦しくなります。

辞めた後は、健康保険・年金・住民税を自分で払う。この固定費を先に見積もっておきます。

辞める前にやっておく、お金の備え

ここまでをふまえると、辞める前にやっておくべきことが見えてきます。難しい計算ではありません。

まず、無給になりうる期間を見積もります。待期7日に加え、自己都合なら原則1か月の給付制限。教育訓練で解除できるなら、そのぶん短くなります。この期間に、月々の固定費(家賃、健康保険、年金、住民税、生活費)を掛け合わせれば、最低限用意しておきたい金額の目安が出ます。

たとえば(あくまで一例です)、家賃や社会保険料、住民税、生活費を合わせて毎月およそ20万円かかる人が、待期と給付制限でおよそ1か月強を無給で過ごすと想定するなら、その間に最低でも20万円台の備えがいる計算になります。実際にはこれに、失業保険が振り込まれるまでの事務的な時間差や、想定外の出費も見込んでおくと安心です。自分の固定費に置き換えて計算してみてください。

次に、手続きの段取りです。失業保険の申請には、退職後に会社から受け取る離職票が必要です。受け取り時期を確認し、退職前に会社と段取りを話しておくと、申請がスムーズに進みます。教育訓練で給付制限の解除を狙うなら、対象の講座や受講の時期も早めに調べておきましょう。

そのうえで、もう一度立ち止まって考えたいのが、本当に辞めてから探す必要があるかです。在職中に活動して、次を決めてから辞めるほうが、収入は途切れません。辞めてからのほうがじっくり選べるという利点と、無給期間のリスクを、天秤にかけて決めるのが賢明です。

「無給期間 × 毎月の固定費」で、自分に必要な備えは自分で計算できます。

探す期間が短いほど、無給の期間も短い

もうひとつ、お金の不安をやわらげる現実的な方法があります。それは、次を探す期間そのものを短くすることです。

失業保険がいくら手厚くなっても、受け取れる期間には限りがあり、無給や減収の期間が長引くほど家計は削られます。だからこそ、辞めてからの活動を早く軌道に乗せられるよう、在職中に準備を済ませておくことが、そのまま家計の備えになります。

その準備の中心が、応募書類です。職務経歴書や履歴書は、いざ辞めてから書き始めると時間がかかり、その間も活動は前に進みません。在職中のうちに、自分の経験を整理して形にしておけば、辞めた翌日から応募を始められます。

Talentier〈タレンティア〉が提供しているAI履歴書・職務経歴書作成サービスのPath〈パス〉は、経験を入力していくと、採用担当に伝わる書類へと整えてくれます。採用実務を知る視点で監修されていて、完全無料です。辞める前に書類を用意しておくことは、探す期間を短くし、結果として無給の期間を短くすることにつながります。

まとめ

「辞めてから探したい。でも、お金が不安」という悩みは、失業保険と固定費を知れば、数字で見積もれます。自己都合退職でも、2025年4月から給付制限は原則1か月に短縮され、所定の教育訓練を受ければ待期7日後から受け取れるようになりました。無給で待つ期間は、以前より確実に軽くなっています。

一方で、辞めた後は健康保険・年金・住民税を自分で払う必要があり、失業保険だけでは家計は回りません。無給になりうる期間と月々の固定費を掛け合わせて、必要な備えを先に計算しておく。そして、探す期間を短くするために、辞める前に応募書類を整えておく。ここまで準備できていれば、「辞めてから探す」という選択も、不安ではなく計画として踏み出せます。

なお、失業保険の受給条件や金額、給付制限の扱いは個人の状況によって異なります。自分の場合の具体的な取り扱いは、住所地のハローワークで確認してください。

よくある質問

Q. 自己都合で辞めても、失業保険はもらえますか?

条件を満たせばもらえます。雇用保険に一定期間加入していて、働く意思と求職活動があることが前提です。自己都合の場合は、待期7日に加えて原則1か月の給付制限を経てから受け取り始めます。

Q. 給付制限の1か月は、まったく無収入で過ごすしかないのですか?

所定の教育訓練を受けると給付制限が解除され、待期7日後から受け取れる場合があります。対象の訓練や時期、ハローワークへの申し出などの条件があるため、早めに調べておくとよいでしょう。

Q. 会社都合と自己都合で、何が違いますか?

主に、受け取り始める時期と受け取れる日数が違います。会社都合など、やむを得ない離職のほうが早く手厚く受け取れ、自己都合には給付制限による待ち時間があります。

Q. 辞める前に、いくら貯金があれば安心ですか?

一律の正解はありません。無給になりうる期間(待期+給付制限など)に、月々の固定費(家賃・健康保険・年金・住民税・生活費)を掛けた額が、最低限の目安になります。自分の数字で計算してみてください。

Q. 失業保険はいくらもらえるのか、正確に知る方法はありますか?

金額は退職前の給与と年齢で決まるため、個人差があります。正確な見込みは、離職票をもとにハローワークで確認できます。事前におおよそを知りたい場合も、自分の給与を基準に考えると見当がつきます。

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